2024年の干支は辰。天上界を護り、大自然の躍動の象徴とされる瑞獣の長です。
今年も当工房では穏やかな新年への願いを込め、初代の頃より伝わる稚龍(ちりゅう)をモチーフに家守の干支を制作いたしました。
稚龍とはこれから天界へと昇る幼い龍です。
古より神様の遣いであるその年の動物が恵みを連れてくると言われ、「陽気充満し草木伸び盛り、枝葉繁茂して大きく揺れる」と表現される辰年に、日々の安寧と天恵が皆さまの元へも届きますように。
■新潟県無形文化財認定の伝統製法で、一つ一つ手作り
約600年前に新潟県柏崎市で鋳物業を開始し、1978年伝統的蝋型鋳造法が新潟県無形文化財の認定を受けました。
鉱物を溶かし、土で作った鋳型に流し込むと新たな役割を担って鋳物(いもの)が誕生します。
鋳物は古代には神器となり、中世には鐘や釜となり、現代では日々に寄り添う道具となって人の暮らしに溶け込んできました。
鉱物・土・炎という神からの預かりものから成り、大地の力を宿し、自然の環の一部として人の営みの傍で共に時を重ねます。
ここで生まれた鋳物が、人それぞれに積み重ねられてゆく時間の中で小さなあかりとなるよう、想いを込めて制作を続けて行きます。
<工房の沿革>
約600年前:新潟県柏崎市で鋳物業を開始。
江戸時代:由緒正しき鋳物師として朝廷より許状を受け釣り鐘や塩釜を制作。
江戸末期:原 得斎より技術を継承し蝋型鋳造法で美術工芸品を主力商品に据える。
1978年:伝統的蝋型鋳造法が新潟県無形文化財の認定を受ける。
1981年:皇太子殿下への献上品制作。
2010~12年:新潟県グローバルブランド『百年物語』参加。
2015年:日本伝統工芸新潟県最高賞受賞、以降入選。
翌年日本金工展受賞、以降入選。
東日本伝統工芸展入選、以降入選。
2016~18年:経済産業省 関東経済産業局とシンガポールデザイン庁の協調支援事業『KYO project』参画。
2017年:当代が五代晴雲を襲名する。
2018年:JR 東日本おみやげグランプリ銀賞受賞。
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