豊見城市のシンボルである「瀬長島」と、沖縄の民権運動を牽引した豊見城が生んだ英雄「瀬長亀次郎」。この二つの「セナガ」を軸に、与那覇俊独自の言葉遊びと連想が縦横無尽に展開される作品。
タイトルの「背長」には、作家が好んで描くモチーフ「大日本人」の巨大さも重ねられており、地域の歴史的人物と架空の巨人が交錯する独特の世界観が生まれています。
画面を丁寧に見ていくと、「瀬長亀次郎」「瀬長島の温泉」「ハーリー」など豊見城に関わるモチーフが随所に散りばめられていることに気づきます。さらに「毒キノコを食べ食中毒で入滅した釈迦」といった宗教的考察、作家が最近興味を持つテーマや妄想が、渾然一体となって画面を埋め尽くしています。
地域への敬意と歴史、ユーモア、哲学的思索──それらすべてが一枚の中で共存する、与那覇俊ならではの多層的な作品世界をお楽しみください。
◆世界が注目する沖縄のアーティスト、与那覇俊が故郷・豊見城市を描いた唯一無二の原画作品。
1979年沖縄県生まれの与那覇俊は、茨城大学在学中にボリビアで音楽遊学を経験。帰国後、精神的困難と向き合いながら10年にわたり「脳ノート」に思考を書き綴り、2013年から本格的に絵画制作を開始しました。
以来、365日休むことなく描き続け、油性ペンやボールペンで文字と絵を融合させた独自のスタイルを確立。現代社会を彼独自のフィルターを通して俯瞰する、曼荼羅のような作品世界は国内外で高く評価されており、2021年にはフランスの近現代美術の殿堂、ポンピドゥーセンターに作品が収蔵されました。
スマートフォンを持たず、インターネットに触れることもない与那覇は、膨大な読書と観察を通じて、脳内に蠢く思考と妄想を日々キャンバスへと昇華させ続けています。