稀少の銘木・黒柿の小棗(漆塗り)
黒柿はきわめて希少な銘木です。通常の柿の木は白色の幹ですが、ごくまれに、墨で描いたような黒い模様が自然にあらわれることがあります。木の内部で、土から水とともに吸収した成分が反応し、長い年月をかけて生まれる現象です。この黒い紋様をもつ材を「黒柿」と呼びます。
樹齢数百年を超える古木の中にのみ見られることもあり、その発生は偶然に委ねられ、人工的に生み出すことはできません。あらわれる模様に同じものは一つとしてなく、それぞれが唯一無二の表情を宿しています。その神秘的な美しさは、古来より人々を魅了してきました。
奈良時代の宝物を収蔵する正倉院にも黒柿の木工品が伝わり、また松江藩主であり茶の湯を深く愛した松平不昧も、この銘木を好んだことで知られています。
「黒柿小棗」は、貴重な国産黒柿を用い、一つひとつ丁寧に手仕事で仕上げています。
おかやでは、長年にわたり黒柿と向き合い、材の選定から乾燥、木取り、加工に至るまで積み重ねてきた経験があります。黒柿は見た目の美しさだけでなく、割れやすさやねじれなど扱いの難しさも併せ持つ木です。その特性を見極め、どの部分をどの用途に活かすか、どのくらいの時間をかけて乾燥させるかを慎重に判断しながら制作しています。
木目の表情が最も引き立つ位置を探し、時間をかけてゆっくりと乾燥させ、素材の持ち味を損なわないよう加工すること。そうした積み重ねの先に、黒柿ならではの深みと気品が宿ると考えています。
自然が生み出した奇跡のような木と、長年培ってきた技と知恵。その両方が重なって生まれた小棗です。
黒柿の紋様や色が若干写真と異なる場合があります。
おかや木芸は豊かな自然が残る島根県出雲市にあります。
工房では、どの木工品もひとつひとつ職人による手仕事によって作っており、出雲で受け継がれた木工の技で、世代をこえて長く愛されるものづくりを目指しています。
出雲ブランド商品認定。島根県ふるさと伝統工芸品指定。
事業者 :(株)おかや
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