清流仁淀川の刻む谷、仁淀川町沢渡(さわたり)。長い時間をかけて石を積み上げてつくりあげられてきた、美しい茶畑の風景があります。ここ沢渡は、私の祖父母が《茶》で生活を営んできた場所であり、私自身にとっても子どもの頃から何度も何度も遊びに訪れた、たくさんの思い出が詰まった大切な場所です。しかし、かつて茶畑のあちこちから声が響き渡ったこの地区も、あちらで一軒、こちらで一軒と、茶農家が減り続けてしまっています。このままいけば、いずれ沢渡の茶づくりが途絶えてしまう。この沢渡を、この美しい茶畑の風景を、何とかしたい! !との想いでお茶作りはもちろん、新しい「お茶の楽しみ方」の提案、後継者のいない茶畑の再生に奔走してきました。沢渡茶は、優しい味でありながら「お茶の味」をし っかりと感じることができる力強さが特徴の煎茶です。仁淀川が刻んだ渓谷に広がる茶畑で、たくさんの陽光と深い霧を受けて育ちました。