岩手県遠野―山深き地でありながら、古くから交易の要衝として栄え、懐に豊かな伝承と記憶をいだいて生きてきた里。
この地に生まれた佐々木喜善が柳田国男に故郷の伝承を語って聞かせたことから名著『遠野物語』が誕生し、日本の民俗学が出発した。
喜善はその後も長い時間をかけて遠野の伝承・昔話を掘り起こし、記録しつづけ、のちに「日本のグリム」と讃えられる存在となる。
その仕事の集大成といえる本書には、いにしえの日本に息づいていた不思議な、愉快な、奇想天外な、あるいは怖い物語がぎっしりと詰まっている。
日本人の心の故郷ともいうべき珠玉の物語集。
■目次
聴耳草紙
観音の申子
田螺長者
蕪焼笹四郎
尾張中納言
一目千両
炭焼長者
山神の相談
黄金の臼
尽きぬ銭緡〔ほか〕
■佐々木 喜善(ササキ キゼン)
1886年、岩手県に生まれ、 1933年没。医学校に入るが、2年で辞し、上京。哲学館(現、東洋大学)に入学し、のち早大文科に学ぶ。
文学を志すが、柳田国男と出会い民俗学に転じ、生涯昔話の発掘に専心する。
本返礼品は、遠野市内の内田書店がお届けします。
【創業1895年。遠野の地域に根ざす街の本屋。】
歴史的な趣が今も色濃く残る、岩手県遠野市の中心街を拠点とする当店は、『遠野物語』の著者日本民俗学の父・柳田國男も遠野滞在の際に幾度か原稿用紙等を買いに来店されていたと聞いています。 明治後期の創業より残る『内田商店』と書かれた漆喰の看板はそのままに、2021年に本店の内装をリニューアルいたしました。遠野唯一の書店として、これからも地域の皆さまに親しまれる存在でありたいと思います。 内田書店 店主