全国で山梨岡神社のみに祀られる、厄除け・雷避けの神様「夔神(キノカミ)」。
2023年4月の例大祭では、7年に1度の夔神木像のご開帳がおこなわれました。大蛇堂はこれを機会に調査を行い、大蛇堂オリジナル掛け軸の制作の許可をいただき6月に神社へと奉納しています。今回ご紹介する夔神掛け軸は、同神社へ奉納したものと同じサイズのもの。掛け軸は1点もののため色調がまったく同じものではありませんが、遜色ない迫力を実感していただける仕上がりになっています。伝承はもちろん、夔神そのもののフォルムもじつに珍しいものです。ぜひご家庭でも飾ってみてはいかがでしょうか。
【夔神説明】
「キノカミ」
山梨県笛吹市山梨岡神社に伝わる。
夔神を祀っているのは全国で山梨岡神社のみだという。
山梨岡神社には1本足の木像が雷除け・魔除けとして伝えられ、7年に1度、4月の例大祭でご開帳される。最近では2023年4月4日・5日に行われた(以前は10年に1度)。木像は1本足にもかかわらず自立しているが、背面の造形はなく、建てかけるかたちになっている。また、夔神の掛け軸も伝わっているが、木像とともに制作年・製作者不明とのことである。宮司の方曰く「御神木の中が雷により空洞になっているため、その木を利用して作られたものではないか」とのこと。
信仰の始まりは荻生徂徠が宝永3年(1706年)に訪れた際に、賽銭箱の横にあった木像をみて「山海経」の夔と結びつけたことと考えられている。山海経の夔は牛の上半身に1本足で描かれており、類似点はみられるが、デザインに親和性があるかというと疑問も残る。
同地ではかつて、夔神を描いた掛け軸を各家庭で飾り祀っていたとされる。近年は古くなってきていたこともあり、あらたに制作しなおし配布したという。
また、長野県長野市内の神社に絵馬が奉納されており、縦111cmx横59cmと大型で「甲州山梨郡山梨岡神社神宝雷除魔除」と記されているという。
【地場産品に該当する理由】
区域内において絵をデザインし、区域外で掛け軸用の紙に印刷。その後、区域内で、装飾品の取付けや軸文の筆記を行っている。印刷工程や取付具の納入元は区域外だが、半分を一定以上上回る付加価値を区域内事業所で生み出している。(告示第5条第3号に該当)
【大蛇堂】
いつもそばにある、ふしぎ。
~掛け軸をとおして、日本の「ふしぎ」を届ける~
大蛇堂(おろちどう)は妖怪掛軸専門店として、全国各地に伝わる言い伝えや伝承をもとに、妖怪や動物、神様を、オリジナルイラストで描いております。
画家として活動した経験を活かし、多くの人が、アートを、気軽に、身近に、楽しめるようにと、「モノプリント掛け軸」を考案。オリジナルイラストを布製の掛け軸に印刷する手法をとることで、価格を抑え、耐久性もあり、湿気や収納等の管理もしやすくしています。
また、同じデザインに見えても毎回色やデザイン等が異なる、すべて1点ものです。
イベントでは、海外の方からお土産として喜ばれる大蛇堂の掛け軸。
気軽な気持ちでご自宅にアートを取り入れていただければ幸いです。