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ちょっと大きめで持ち上げやすい形の吸物椀です。お正月やハレの日に、豪華な蔦の蒔絵が入った吸物椀で華やかに。蔦は、太陽に向かって上へ上へと伸び、生命力が強いことから縁起物として親しまれてきた紋様です。漆器の吸物椀は、蓋を開ける瞬間まで、料理の温かさや香りを閉じ込めてくれます。また、蓋を裏返した時にも、ワンポイントの蔦の蒔絵が目と心を楽しませてくれます。
1872年(明治5年)創業、伝統的工芸品 川連漆器を製造する佐藤善六漆器店により造られました。川連漆器の特徴の一つである、花塗り(はなぬり)という高度な技法で塗り上げられています。花塗りとは、塗った後に研いだり磨いたりせず、漆の流れを予測し、刷毛で塗り上げ、そのまま乾燥させる技法で、優しく柔らかな風合いに仕上がります。天然の木地に、天然の漆を使い、職人の手により一つ一つ丁寧に塗り上げられていて、使うほどに、色艶が出て、漆の味わいを楽しむことができます。漆器は、プラスチックとは違い、熱が伝わりずらく、保温効果があり、持っても熱くなく、料理も冷めにくい優れた食器です。
《川連漆器の歴史》
川連漆器の始まりは、約八百年前の鎌倉時代、源頼朝の家人で稲庭城主の小野寺重道の弟、道矩が、現在の秋田県湯沢市川連町に居住し、豊富な木材と漆を用い、家臣に内職として武具に漆を塗らせたのが始まりと言われております。江戸時代初期、本格的に漆器産業が始まり、後期には幅広い生活用品がつくられました。昭和51年に、国の伝統的工芸品の指定を受け、今では全国でも有数な産地として成長しております。
【製造元】佐藤善六漆器店(https://zenroku.jp/)