会津の郷土史家・古川利意氏は、昭和24年頃から、次々と姿を消していく年中行事、特に正月行事を記録するため、版画の年賀状として制作し、毎年のように送り続けていました。その中から5点を、西会津町に伝わる出ヶ原和紙に複製したものです。
出ヶ原和紙は、西会津町の出ヶ原(いづがはら)集落で漉かれてきた和紙で、その名は、かつて伊豆の国から紙漉きの技術を伝えた人々がこの地に住みついたことに由来します。江戸時代には、会津藩の公文書用紙としても使われていました。 現在も、山から自生する楮(こうぞ)を刈り取り、蒸し剥ぎ、皮むき、ちりより、叩解(こうかい)などの工程を経て、溜め漉きし、板干しするまで、すべての工程が手作業で行われています。
古川利意氏の作品は、西会津町奥川地区にある私設美術館「古川利意記念美術館 農とくらし」に収蔵・展示されています。
提供事業者:にしあいづ観光交流協会