昔ながらの手法を代々受け継ぐ『吉野屋』。
“島原あめ”は白砂糖と水飴だけでひとつひとつ手造りしたべっこう色の飴(プレーン)と黒砂糖を使用した飴です。
外側にはグラニュー糖をまぶしています。
プレーンと黒砂糖飴をそれぞれ1袋ずつ、計2袋を詰め合わせました。
後味がよく、食後の一粒が美味しいと好評です!
1 老舗お菓子屋の手作り飴 90年以上続く素朴な優しい味
昭和5年(1930年)からお菓子を作っている吉野屋菓子店は島原で唯一、昔ながらの飴を手作りしています。3代目の吉田誠一は高校卒業後、2年間修業をして以来35年、昔と変わらぬ素朴な味を守っています。
飴の原料は国内製造の砂糖、水あめ、グラニュー糖だけ。黒砂糖あめには、これに黒砂糖が足されるだけ。我が子を育てるように、丁寧に根気強く飴を練り上げます。 「手作りなので、出来上がりを均一にするのが何よりも難しいです。飴は一つずつハサミで切ります。食べる時のお客様のことを考えて食べやすい大きさを心掛けています。」
飴作りは時間との戦いです。冷めるとすぐに固まってハサミで切れなくなるので、週に1回作る日を決めて妻と妹の3人体制で一気に作っています。
原料を合わせて炊き上げ、冷水で冷まして、飴の塊を細くのばして、ハサミで切っていきます。ハサミで切った部分がとがらないように気を付け、飴一個ずつを手でばらして、最後に純白のグラニュー糖をたっぷりかけて出来上がりです。
出来上がった飴は、手作業で袋につめて仕上げます。すべてが手作業のため、大量生産はできません。常連さんのまとめ買いなども多く、作っては無くなり、無くなっては作っての繰り返し。美味しさ満点の飴です!
2 琥珀に真心こめて じっくり飴の重力で練り上げた島原あめ
吉田の「吉」と、初代の妻・フジノの「野」から名付けられた吉野屋。3代目の妻・美和子は夫と2人で飴をハサミで切る係です。夫婦二人三脚、同じリズムで飴を切る音がチョキッチョキッっと重なり合いリズミカルです。ステンレスの台にコロコロと琥珀色の飴が出来ていきます。
美和子「最初は大変なことばかりでした。飴の塊は手袋をしても触れないくらい熱いし、固まらないうちに熱い飴をのばさないといけないし。ハサミで切る作業は力仕事で腕も痛いし、やり始めたころは手にマメができて痛かったです。」
飴の丁度良い状態を見極めて火から水へ手際よく移す。冷ます時は急がずゆっくり。冷えたらヘラで優しく周囲をはがして手首を回し、真ん中へ静かに飴をのせます。誠一は飴の重みで自然に混ざり合うよう、決して力を入れて混ぜることはしません。あくまでも飴自身に任せて練り上げていきます。
1袋できるまでの工程は約50分。直径2cmほどの飴玉に真心をいっぱい詰め込んでいます。是非とも島原の素朴な飴をご賞味ください。